妻を癌で亡くしました。

40代で妻を癌でなくした夫が前へ進むために立ち上げたブログ

片付けられない

配偶者が亡くなって、その遺品を片付けられない、という話をよく聞く。

人によっては、一年経っても、全く手を付けられない、という話を聞くこともある。

私も、はじめはそうだった。というより、今でも、手を付けることに抵抗がある。

「今まで、二人で作ってきたものを、壊されてしまう。」というような、やはり、心の底では、まだ、妻の死を、受け入れられないのだろう、と思う。

だが、亡くなった当時の私の家は、介護や、看病で、家の掃除は二の次で、大変な状態になっていた。足の踏み場もないほどだった。このままでは、生活にも、支障が出てしまうほどだった。

亡くなってから、職場に復帰するまでに、少しは片付けよう。

と思い、片付けを始めた。妻の使っていた衣類を、まずは売るにも売れないものから、捨てることにした。

だが、まだそれは、妻を失って心を病んでしまった私にとっては、あまりにも辛すぎるものだった。作業をしていると、普通の三倍は、疲れる感じがした。

何をするにも、妻との思い出が溢れてくる。そして、あの、「今まで、二人で作ってきたもの、当たり前だったものが、なくなってしまう。」「そこにあった、空気のような、当然あったものが、急になくなってしまう。」という、気持ちが大きくなって、過呼吸のような状態になってしまった。そして、あまり無理はできないということを知り、本当に、心を病んでしまったのか、ということに気付いた。