後を追わないでね、と言われたこと
妻が亡くなって少しして、妻の担当だった看護師さんに、
私のことが心配だったのか、後を追っちゃ、ダメよ!と言われました。
私はどういうわけか、自殺をしてしまうと、その後、あの世があるなら、妻に会えなくなるという、根拠のない思いがあり、それは、ありませんよ、と答えたものの、
今になって考えると、私と妻の仲の良さを見ていたり、私の性格を思うと、後を追いそうなタイプだったのでしょう。
実際には、何度も、「妻の、ところに、行きたい」と思ったか。
妻と一緒に楽しく暮らすことが生きがいだったので、新しい生きがいを見出だせぬまま、日々を悲しみに暮れていました。
今も、当然、悲しいです。ただ、少しだけ、前に向いて歩けるようになっただけです。
それと、「後を追うことは、妻が、望んではいない」と思えるからです。
彼女と、私が好きだった曲の中に、かりゆし58の「さよなら」という曲があるのですが、
その歌詞の一節に、「僕が生きる今日はもっと生きたかった誰かの明日かもしれないから」という部分があります。
亡くなって、一番悔しいのは、彼女です。私も、彼女も、もっと一緒に、生きたかった。
私の生きている今は、彼女が生きたかった、明日です。
それを、無駄に過ごすわけには、いかない。
私は全然、強い人間ではありませんので、毎日、さあ、彼女のためにも、頑張ろう、
なんて思うことはできませんが、できる範囲で、前を進んで行こう、とようやく、思えるようになってきました。
そして、いつか、往生したときに、彼女に、どうや!と言えるような、人生を歩んで行きたいと思います。